2013年12月6日金曜日

フランスの教会(2) Fixey


次に訪れたのは、Fixey。

薄暗い中、マリア像が印象に残った教会でした。

カトリックの教会には、聖母マリアの像があります。私が通った幼稚園はカトリックで、庭に大きなマリア像がありました。子供のときの記憶で「大きかった、広かった」という場所などに大人になってから行くと、「あれ、意外と小さい」と思うことがあるので、実際にはそれ程大きくはなかったのかもしれませんが。今でもマリア像を見ると、子供のときに見上げていた白いマリア像を思い出します。

子供の頃に教わったことや習慣というものは、土台となりますね。その幼稚園では、食事の前にお祈りをする時間がありました。年少組のときは「お父さん、お母さん、農夫の皆さん、漁師の皆さん、今日も食べ物をありがとうございます」というような言葉で感謝を捧げ、年長組になってからは「天にまします我らの父よ、願わくはみ名の尊まれんことを・・・」という大人バージョンのお祈りになりました。お祈りの習慣は私の中に残ったようで、振り返ってみると一時期を除いて、子供の頃から何かしらの祈りの言葉を唱えています。

子供の頃に学んだことといえば、フランス語!今回の旅で役に立ちました。フランス語を学んでいたのは10代の終わり頃で、初めての海外はパリでの短期語学留学でした。当時はフランス語だけではなく、フランスの絵画や映画、音楽、文学に浸っていました。それ位好きだったフランス語ですが、フランス語で仕事がしたい訳ではないし、もっと実用的なことをしたほうが良いのでは、とその後はすっかり離れていました。今回の旅行中、パリでは大抵の場所で英語でコミュニケーションが取れたのですが、地方に行くとホテルでも英語が通じず。必要にせまられて、脳内の20年以上閉めっぱなしのフランス語の引き出しをこじ開けると、意外や意外、相手が言っていることが分かるし、向こうも分かってくれる!それに気を良くして、旅を急遽「実践フランス語会話」の場とし、タクシーの運転手さんと「運転手さんはブルゴーニュの人だから、やっぱりワインが好きなんですか」「いや~僕はビール派だねえ」などと、世間話をしたりしました。

お祈りやフランス語以外にも、子供のとき頻繁にしていたことや好きだったことが現在に与えている影響について思いをはせる機会がある旅でした。一瞬毎に変化している「現在の自分」とは、「過去の自分」がモザイクのように並べられ、重ねられているものに便宜的な輪郭線を引いて認識しているものです。そして、輪郭線の内にあるモザイクは、記憶の中にある過去の自分だけではなく、より広範囲のものが含まれています。

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